香港・新界の高層住宅火災 死者94人に 鎮火は28日夜の見通し

(VOVWORLD) - 警察は27日、この高層住宅の管理会社を捜索しました。政府によりますと、管理会社はプレステージ・コンストラクション・アンド・エンジニアリングで、同社はコメントには応じていません。
香港・新界の高層住宅火災 死者94人に 鎮火は28日夜の見通し - ảnh 1中国・香港の大埔区の高層住宅群で発生した火災現場(写真:Mạc Luyện/TTXVN)

中国・香港北部の新界地区、大埔(タイポ)にある高層住宅群で発生した大規模火災の死者が、少なくとも94人に達しました。火災は24時間以上にわたり燃え広がり、28日未明までにほぼ鎮圧された状態となり、消防当局は28日夜には完全に鎮火する見通しを示しています。捜索・救助活動もまもなく終了する方針です。

消防当局者は28日、記者団に対し「延焼した7棟すべての部屋に強制的に立ち入り、ほかに犠牲者がいないかを確認したい」と述べました。

当局は27日朝、279人が行方不明になっていると発表しましたが、その後情報は更新されていません。救助要請が残る25件に優先的に対応すると説明しています。

消防当局によりますと、犠牲者の大半は住宅群8棟のうち2棟の高層住宅から発見されました。

香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は、77年ぶりとなる大規模火災を受け、住民支援のため3億香港ドル(3,860万ドル)の基金を設立すると明らかにしました。

住宅価格が慢性的に高騰している香港では、今回火災が発生した8棟のアパートに2,000戸、4,600人以上が暮らしていたということです。

修繕工事には竹の足場が使用され、その他の資材も火災拡大の要因になった可能性があるとして、「重大な過失」にあたるとして建設会社の社員3人が逮捕されました。

およそ900人が集まる8か所の避難所では、行方不明となった家族を探す住民の姿が見られています。

警察は27日、この高層住宅の管理会社を捜索しました。政府によりますと、管理会社はプレステージ・コンストラクション・アンド・エンジニアリングで、同社はコメントには応じていません。

警察は同日行った家宅捜索で、入札書類、従業員リスト、パソコン14台、携帯電話3台を押収しました。香港警察は「会社の責任者らが重大な過失を犯し、今回の事故を引き起こし、制御不能な火災で多数の死傷者を出したと考えるに足る理由がある」として、1年間にわたり修繕工事を請け負っていた建設会社の幹部2人と技術コンサルタント1人を過失致死の疑いで逮捕しました。

集合住宅では1年前から3億3,000万香港ドルをかけた修繕工事が行われており、各戸の負担金は16万〜18万香港ドルだったと報じられています。

香港の汚職捜査機関も、修繕工事に関連した汚職の疑いで捜査を開始しました。

また、自動車メーカーのシャオミ、小鵬汽車(シャオペン)、吉利汽車、さらにアリババ創業者ジャック・マー氏の慈善基金など、中国企業グループは、今回の火災の被害者支援に向け義援金を発表しています。

香港では以前から不動産価格の高騰が問題となっており、不動産会社のサイトによりますと、今回火災が起きた集合住宅は1983年に入居が始まり、中所得者層にとって住宅確保を支える政府の住宅保有補助制度の対象となっていたということです。(ロイター)

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